Home > 001足立詩果さん[2008年3月25日(水)] > 足立詩果さんインタビュー第三弾!
足立詩果さんインタビュー第三弾!

Issue 3 純粋な貪欲さが自分を育てる 

 

 

intervew4_2.jpgマイルストーンデザイン足立詩果さん(以下足立):

そうですね(笑)ヒアリングシートについては、深く聞ける時は聞きますが、「いやもういいです」っていう方も中にはいらっしゃいます。こういうときに思うのは、お客様は、クライアント様にサービスを受けてお金を払っているわけですから、「特殊な仕事をしているんだ」とか、「価格だけで競争しているんだ」という理由で、深く考えず、「売り」に走ってしまうのは、お客様の気持ちに十分応えていないのでは、と。お客様の気持ちに応えるように、この質問に取り組んでみてはいかがですか?ということですね。試しているわけではないのですが、すごく反応してくださる方はお客様のことをよく考えられているし、「このヒアリングシートよくできてるよね」とよく言ってくださいます。そういう方は選択されたキーワードや内容をきちんと書いてくださる方が多いですね。こちらも「あー、こういう方と一緒にお仕事したい」とヒアリングシートが返ってきてすぐ文章を読んだ時の思いでエンジンがかかったりするんです。

 

(株)インナーライズ富田(以下富田):

なるほどね。きのうのおはなし会でも話題に上がった5ヶ月かかった某会社。自分ですが(笑)。僕自身は、今話すとヒアリングシートを書いた瞬間にものすごく落ち込んだんですよ

自分がいかに自分のこと、自分の会社やクラインのことをまったく考えていなかったかというのが見て取れたんですよね。「自分が言いたかったのはこんなことだったのかなあ」とか「こんな言い回しだったのかなあ」と、書けば書くほど「これって結局誰かが言っていたことばじゃない?」ってことに気付くわけです。自分のことばのふりをしていたけどあの時あの人に聞いた話だったり、あの時あの本で読んだ話だったり。そうじゃないのか?っていうのが一個でも二個でも出てきたらたぶんもうそれはダメだと思ったんです。そこから5ヶ月かかりました。なぜ?なぜ?なぜ?って、足立さんだったりロビンさんだったりうちの広岡だったりとディスカッションしながら、最終的に言葉、原稿を書いて、送って。しかしまたブルーになったんです。これじゃない、これじゃないと思って、でも出さなきゃいけないってまた出して。で年が明ける時にもう一回考えようって全部プリントアウトして、ヒアリングシート出したもの全部見て、それをマインドマップにおこしたら、「全然話が違うじゃない」と、「誰だこいつ?」みたいな。こいつは一対何を言いたいんだ?とまたどーんと落ち込んで、年末年始ほとんど家に引きこもって、悶々として考えて、再び一から書き直しました。今サイトに載っているのが最終的に大修正を加えて出したものなんだけど、一番最初のブルーになって出したものが5ヶ月かかったんですよ、ところが最終的にこれでお願いしますと提出したものって半日なんですよ。5ヶ月間あれだけ悩んで、最終的にお願いしたのは半日で、その過程に何があったかというとまあその5ヶ月間考えてたことがやっと出たというのももちろんなんですが、5ヶ月間かけて自分の言葉の端々に現れる見栄だったり、こうしたほうがいいんではないか?的な装飾、ベタベタと体中にまとわりついてたものをそぎ落とす期間だったのかなと、その作業をやっていてすごく感じたんです。それで改めて、いや、このヒアリングシートはスゴイなと!マイルストーン恐るべしですよね。

 

足立 そこまで落ち込んでいただくとつくりがいがありましたね。(笑)

 

富田 すごいなあ~それでところどころ足立さんが、メールやスカイプや電話で「これどうなってますか~?」、「これどんな意味ですか~?」というその質問?ご確認という名の質問、つっこみ?ですか。あれはね~、すごい効いてます。的確に心をえぐっていく。

 

足立 やはり、苦しんで書かれたヒアリングシートはわたしとしては非常にわかりやすくて。実はちょっと未知なる世界だったんですよ、在り方コンサルティングというものは。それが非常によく理解できたというか把握できました。「特殊なことをしてるんです」と言われる方のヒアリングシートって、確かに事業自体は特殊なんですけど、本当に理解するのは難しいというより、「わからない」というのが多い。ということは一般的にエンドユーザーが見た時にもわからないんじゃないかな? みたいなところがあって、そこをなんとかわかろうとするところからスタートする場合も多いんですけど、富田さんの場合は、そこの理解は非常に早かったんです、自分の中で。ただ、富田さんとしてこれを出したときにどうかな?とかインナーライズさんとして出したときどうかな?っていうところでのいわゆるつっこみ?っていうのはしたような気はしますけど。言葉って生きていると思うので、これからもずっと「ちょっとここは違うかな?」とかそういうのをずっと持ち続けて、入れていくというか。たとえば「心」って活字で書いたときに、その心にどうやってほんとうの心を入れていくかって作業があって。「それをしたところで、見た人はわからないじゃない?」ってクライアントさんにも言われるんですけど、そうじゃなくてご本人が本当に気持ちを入れたら、その言葉は生きてくると思うし、その周りにある言葉からもにじみ出てくると思うんです。だからこういうことを伝えたい!という思いがあれば、必ず伝わる。それは信じていただいていいと思います。というのを、不安になられる方にはお話します。あなたがやっている仕事で、あながた作ったウェブサイトだから、十分納得するものを作られた方がイイと思いますよと。

 

富田 最近おもしろいなあと思ったのが、すごく素直で人の意見も柔軟に聞けて、自分自身やりたいこともある。仮にこれウェブサイトの話ですが、商品でもサービスでも同じだと思うんですけど、こういうサイト作ろうと思ってるんだけど、っていうのを自分たちは決めたと、それをお客さんや周りの人に聞くわけじゃないですか、「自分はこういうことやろうと思ってるんだけど、なんかいいアドバイスないかなあ。」って。で、相談した人もアドバイスくれますよね。で、柔軟なゆえにそのアドバイスをたくさん聞いてしまって、うん、わかった、わかった、わかったってぜ~んぶそれを取り込む?で、お客さんのいう通りには出来たけども、あなたの思いは?全然入ってないよね、って、いうサイトかもしれない。サイトもあるだろうし、商品、サービス...。心やさしい人がゆえに、そういうことが目に付くというか惜しいな~ということがあると思うんですよ。そこでやっぱりさっきの足立さんがヒアリングシートからぶれないで、でもこれってこういうことじゃないですか?って立ち戻る場所があるというのは聞いていてすごく大事だなと。

 

足立 そうですね。実は自分に対して"わがままじゃない人"って多いと思うんです。自信がない、儲けたいって思いが強くて、人の意見を聞いちゃう、とか。みんなのよろこぶものを作りたいってその一心で聞きすぎてしまう、とか。やっぱり自分の思いとは違うものが出来てしまったっていうことがあるのではないかなって。自分にわがままに、自分のポリシーを出して、それについてきてくださるお客様を大事にすることで、双方が幸せになる。っていう道をつくるほうが楽しいんじゃないかな?と思うんですよね。生きてて・・・。

 

富田 生きてて。そうですよね。じゃあたとえば足立さんは、思い込みとそういう世界観の違いみたいなものって何かもっていますか?

 

足立 それは持っています。思い込みと言うのはすごく引きこもったものだと思っていて、世界観をもっている人と言うのは目がすごく広いんですよね。いろんな情報を持っていて、それに対して色々考えたり選択したりしているので、選ぶことに対して精度が高いですよね。思い込みの人は情報をシャットアウトされてたりとか、例えば商品にしても実は知らないことがあったりするんですよね、目を向けてなかったりするから。だから思い込みですよ、世界観もうちょっと広げた方がいいですよ、とそういったアドバイスをすることはないですが、オリジナリティとか差別化という意味では、そこをちょっと意見させていただくことはします。

 

富田 いや~これを聞いてて耳が痛い人、たぶん日本に数百万人いると思います。まさにその通りですよね。

 

足立 スタッフや自分もそうですが、技術とか知識ってやはり育てないといけなくて、それをやめた瞬間思い込みに入るんです。技術って進歩してるし、例えば、Webサイト作ってる人はイッパイいると思うんです。そういう人たちの中で自分たちはどういう位置にいるのか、どういう魅力を持っているのかっていうのをやっぱり常に育てていこうとすることが世界観を広げていっているのだと。思い込みって、時代においてかれるのはイイにしても、自分が自分のことをわからないっていう状態に入るんですね。それってわたしたちはシアワセじゃないというふうに思ったんです。世界観を広げていこうよ、ってなってから、責任感とか自信とか、意識が随分変わったんです。だから話すことも、同じ緑の色の話をするにも、や、こんな緑があってさ!っていうのが、新たな発見があったりする。それが楽しい、ただ話してて。で、うれしくって話す、みたいなところがあるからすごく活性化します。で、他のデザイナーも、うしろでそんな話をしていたら、「え~なになに?」と聞いたりとか。こういう想いって言うのは、きっと自分たち以外の人たちでも同じなんじゃないかなと思うので、常に新しい情報を入れて、新しい風を入れることで、なんか自分がもっとこう、楽しく、うれしい感じにできるんじゃないかな~って思っています。

 

intervew3_2.jpg富田 ほ~なるほどね。足立先輩と呼ばせてもらいたいくらい。時間も時間なので、最後に。昨日もみなさんを悩ませた、ヒアリングシートの質問の中から、足立さんにもお答えいただければと思ったんですけど。たくさんのWeb会社、もしくはWebデザイナー、クリエイティブディレクターがいる中で、何故足立さんが今の仕事をしなければいけないのか?何故足立さんはその仕事をするのか。というところについて。

 

足立 わたしはこの仕事が好きで、表現することとか一からものを考えることが非常に好きなんですね。それは小さい頃からそう。で、何故わたしがしないといけないのかっていうのは、みなさんが伝えたいことをただ形にするんじゃなくって、コンテンツに落としたりしながらも、わたしの感覚で、わたしの持っている意識だからこそできることって言うのが必ずあって、それが役に立つのであれば、しかも幸せになるのであれば、それをゼッタイにやりたいと思ったんですね。わたしにしかできないもの、わたしの持っている感覚というのをわたしはものすごく信じてるので、これに共感いただく方を、わたしは一生懸命さがしますし、共感していただける方にはどんどん来ていただきたいです。全身全霊をもって、思いを形にするお手伝いをゼッタイできると思っています。

 

富田 きのうのおはなし会でも「Webサイトは、訪れる人が問題解決をしに来るところである。」と。まさに足立詩果さんのところにくればいろんな問題解決をしてみせるぞ、っていう決意、表現というのに関して言えば。するぞと。

 

足立 はい、そのための勉強とか技術をあげることはもちろんするんですけど、意識をあげるっていうことに対しては努力をしているつもりです。わたしにしかできない、わたしのスタッフにしかできない、うちの会社でしかできないことをお手伝いして、お互いに楽しくてうれしくて、ああ今を生きていてよかったなって思える、なんかそういうお仕事をしたいなと思います。新人の人と話をしていると、つらいこととやりたくないことを混在しているんですよね。私は「何でやりたくないのか?」っていうのを見つめなおすことで、成功というか自分の成長のカギがあるって思ってるんです。わたしはどんな仕事でもやりました。上司が「こんな仕事があるんだけど誰かする?」みたいな時に、みんながやらなかったことをやったらわたしはゼッタイ伸びると勝手に思ってたんです。自分がただ成長したかったんです単純に。でもおかげでいろんな勉強ができました。人と人の関わり方の勉強もできたし、技術面の勉強もできたし、10個のお仕事だったら10通りのやり方があって、すごいもまれて、結果としてポジティブな考えをもってこられたのはそこにいつも、つらかったけど、大変だったけど、結果として出てきてたから、あまり暗い考えはなくなったんですよね。

 

富田 最近仕組みだ、仕掛けだ、システムだってよく言うじゃないですか?ようはいかに楽してレバレッジを利かせてなにか成果を得るかっていうのがすごく流行っているでしょ?もちろん仕組み、仕掛け、システムって大事だと思うんだけども、その結果仕事で何やるのかとか、その結果会社で何やるのか?とか世の中に対してどういう結果を得たいから仕組み、仕掛け、システムを選ぶのというの飛ばして、とにかく今やる仕事を楽にどうこなそうかっていう...

 

足立 そうそう、効率。

 

富田 効率ね。根性論的につらい仕事を全部こなせっていうわけじゃないんだけども、今自分がココだなって思うときは、なんだろ、センスかなあ。今、その仕事は自分がやっておくべきなんだ、とかそのシチュエーションに自分を置くべきなんだって感じるのはもう、センスで摑むしかないのかな?

 

足立 根性論的なものであり、貪欲さなんだと思います、単純に。貪欲になることで、自分のために仕事をするってことですよね。自分のために遊びもするし、自分のために本も読むんですよね。全ては自分のため。それが人をシアワセにするってことに繋がるっていうそういう気がしてるんです。

 

富田 ものすごく純粋な貪欲さを感じますね。それが自分を育てるんですね。

 

足立 そうですね。わたしは自分がやりたくないと思うことは何でやりたくないかが明確。聞かれたらこうこうこうだからやりたくないって言えます。逆にちょっと大変そうなんだけど、やりたいって思ったら全身全霊でやります。頑張ろうと思う。やった結果何か見えてきて成長しそうだなあっていうその期待感と。後は楽しんでしようかなって。それだけなんですよね。

 

富田 純粋な貪欲さの源にあるのは純粋な楽しさ。純粋な楽しさを感じるとか、純粋にシアワセを感じるとか。シアワセ論ですね。まさに足立詩果さんの在り方でましたよ、満載ですよ。

足立さんおはなし会、インタビューと二日間に渡って、ありがとうございました。